「毎月の給料が入っても、気づけばすぐに消えてしまう」
「貯金がなかなか増えない…」
「将来の生活がなんとなく不安」
こんな気持ちを抱えている方は少なくありません。私も20代の頃は同じように悩んでいました。しっかり働いているはずなのに、なぜかお金が残らない。その原因を冷静に見直してみると、意外な落とし穴がありました。
それが「固定費の払いすぎ」です。特に医療保険は、多くの人が「なんとなく入っている」代表例。テレビCMや営業トークに不安を刺激され、深く考えずに契約している人が大半です。
私自身も以前は「病気やケガが怖いから」という理由だけで、月1万円以上の医療保険料を払っていました。ところが、社会保障制度の仕組みを理解し、冷静に必要性を考え直した結果、解約を決断。年間約12万円の固定費を削減できました。
浮いたお金は投資や自己投資に回すことができ、数年後の資産形成に大きな違いをもたらしています。この記事では、なぜ多くの人が医療保険に入りすぎてしまうのか、そしてどう見直せば家計が軽くなるのかを、具体的なデータや制度とともに解説します。
「安心のために払っているつもりが、実は未来のお金を削っている」――そんな矛盾から抜け出す第一歩を、一緒に踏み出していきましょう。
結論:独身で資産があるなら医療保険は不要な場合が多い
私が医療保険を解約した理由はシンプルです。独身で扶養家族がいないため、仮に私が亡くなったとしても金銭的に困る人はいません。つまり「死亡保障」は不要と判断しました。
また、私は不動産賃貸業を営んでおり、ローンを組む際に加入する団体信用生命保険(いわゆる団信)がすでに備わっています。これにより、大きなリスクに対しては十分にカバーできていると考えています。
さらに、日本には国民皆保険制度があります。会社員であれば医療費は原則3割負担。さらに医療費が高額になったとしても、高額療養費制度のおかげで、所得に応じた上限(例えば一般的な会社員で月8〜9万円程度、どんなに高くても月16万円程度)を超えることはありません。つまり「青天井で医療費がかかる」ということは基本的にないのです。
私自身、現在は30代後半で金融資産が6,000万円以上あります。仮に医療費が一時的に高額になったとしても、手元の預貯金で十分に対応できます。わざわざ民間の医療保険を契約して毎月支払うよりも、資産を育てていく方が合理的だと判断しました。
ポイント: 医療保険を解約するかどうかは「家族構成」「資産状況」「社会保障の理解度」によって結論が変わります。
私の場合は「独身」「団信に加入済み」「十分な預貯金がある」「社会保障の知識がある」という条件が揃っていたため、不安や後悔は一切ありません。むしろ、毎月の固定費を減らせたことで心理的にも軽くなり、その分を投資や自己成長に回せるようになりました。
👉ズボラOLでもできる!FIREにつながる無駄な支出の見直し術【年間60万円節約のリアル体験】
👉ズボラOLでも社会人1年目で生活防衛資金500万円を貯めた方法と心理的メリット
なぜ多くの人が医療保険に入りすぎてしまうのか?
日本人の医療保険加入率は80%以上と言われています。多くの人が「病気になったときの備え」として加入していますが、その裏には次のような背景があります。
- 不安をあおる広告や営業トーク:「もし入院したら1日◯万円かかる」「大きな病気になったら破産する」といったフレーズが恐怖心を刺激する
- 社会保障制度の知識不足:高額療養費制度や傷病手当金といった公的制度の存在を知らないまま契約してしまう
- 「安心料」という思い込み:「とりあえず入っておけば安心」という漠然とした信念で継続してしまう
こうした「なんとなくの不安」が、毎月の固定費を圧迫する原因になっています。
知っておきたい社会保障制度
日本には、すでに公的な医療保障が整っています。代表的なものを2つ紹介します。
① 高額療養費制度
医療費が高額になっても、自己負担額には上限が設けられています。
年収目安 | 1か月の自己負担上限額 |
---|---|
〜約370万円 | 57,600円 |
約370〜770万円 | 約87,430円 |
約770万円〜 | 約167,400円 |
例えば、100万円の医療費がかかったとしても、年収500万円の会社員なら実際の自己負担は9万円程度で済みます。
② 傷病手当金
会社員の場合、病気やケガで仕事を休んだ際には健康保険から給与の約3分の2が最長1年半支給されます。これを知らないまま「収入がゼロになる」と不安に感じ、医療保険に入りすぎるケースも多いのです。
医療保険の費用対効果を考える
ここで、一般的な医療保険(入院1日あたり5,000円給付)のケースを試算してみましょう。
- 平均入院日数(一般病床):約16日(厚労省データ)
- 受け取れる給付金:5,000円 × 16日 = 80,000円
- 10年間の保険料:月5,000円 × 12か月 × 10年 = 600,000円
実際に支払う保険料の方が、給付金よりも高くなってしまうケースが多いのです。つまり「保険料の元を取る」のは難しいのが現実です。
本当に必要な保険は限られている
私が解約を決断する際に考えたのは、「発生確率が高く、起きたら生活に大きなダメージを与えるリスクに備える」ことでした。そこで導き出した答えは次の通りです。
- 独身なら:火災保険、(車があるなら)自動車保険
- 家族持ちなら:上記に加えて生命保険(収入源が一人の場合)
これらは生活を根本から揺るがすリスクに直結します。一方、医療保険は公的制度と預貯金でカバーできるため、必ずしも必要ではないと判断しました。
まとめ — 医療保険を見直すための自己点検リスト
この記事を読んだあと、まずやるべきことは「自分の状況を事実ベースで整理する」ことです。以下の自己点検リストを実際にチェックして、合理的な判断につなげてください。チェックの結果、どこを改善すべきかが明確になります。
自己点検リスト(今すぐチェック)
- 現在加入している保険の保険証券(契約書)を手元に用意した 保険名、保障内容、給付条件、月払い金額、更新年齢、解約返戻金の有無を確認します。
- 毎月の保険料(合計)と、年間支出額を計算した 月×12で年間支出に換算。例えば月1万円なら年間12万円。
- 自分の家族構成(扶養者の有無)を整理した 独身/既婚/子どもありで必要な保障は変わります。
- 手元の預貯金・流動資産(すぐ使える現金)を把握した 緊急時に対応できる「生活費何ヶ月分あるか」を確認します(目安:3〜6ヶ月)。
- 団体信用保険や会社の福利厚生(傷病手当金等)に加入しているか確認した 住宅ローンの団信や勤務先の補償があると、民間保険の必要性が薄れる場合があります。
- 高額療養費制度や傷病手当金の仕組みを調べた 公的保障のカバー範囲を知ることが、見直しの第一歩です。
- 自分の健康状態(既往歴・継続治療の有無)を確認した 治療中や持病がある場合は解約が不利になることがあります。必ず医師や保険会社に確認を。
- 保険の「費用対効果」を簡易で計算した(過去の平均給付と支払った保険料の比較) 長期間支払う保険料の合計と、実際に受け取れる可能性のある給付を比較してみてください。
- 解約した場合の「代替策」(緊急資金・投資戦略)を立てた 保険をやめた場合の資金繰り(貯金で対応するのか、別の備えを作るのか)を決めます。
- 解約したときに生じるデメリット(保障の喪失、再加入時の保険料上昇など)を理解した 再加入が難しくなるケース(年齢・既往症)は事前に確認が必要です。
- 必要に応じてファイナンシャルプランナー(FP)や保険の専門家に相談する予定を立てた 独立系FPなど中立的な相談窓口を検討してください(特定商品を押し付けられないプロを推奨します)。
チェック結果の見方(簡単ガイド)
チェックの傾向 | 次のアクション |
---|---|
ほとんど✓が入っている | 具体的な金額比較を行い、不要な保険の解約を検討。解約前に再加入リスクを確認。 |
半分以上✓が入っていない | まずは「緊急資金の確保(生活費3ヶ月以上)」と「公的制度の理解」が優先。 |
既往症や継続治療がある | 解約は慎重に。医師・FPと相談し、最悪時の資金計画を作成。 |

私は独身で、不動産賃貸業のローンに団体信用保険が付帯しており、手元の金融資産も潤沢(※個人差があります)。このため民間の医療保険は解約し、年間分の保険料を投資や自己投資に回しています。結果として数年経って「不安や後悔はない」というのが私の実体験です。
今すぐできる「優先アクション」3つ
- 保険証券を出す:まず保険の種類・月額を正確に把握する(10分〜30分)。
- 緊急資金を確認:生活費の3ヶ月分があるかを確認。なければ優先的に貯める。
- 公的制度を確認:高額療養費・傷病手当金の基本を確認し、自分のケースでどこまでカバーされるか把握する。
注意点(必ず守ること)
- 現在通院・治療中の人は、勝手に解約しない。医師や保険会社に影響を確認すること。
- 貯金がほとんどない場合は、まず緊急資金を優先。保険をやめても流動性がなければ意味が薄いです。
- 解約前に「再加入の難易度(年齢や既往症で保険料が上がる)」を調べる。
- 判断に迷ったら第三者(独立系FPや公的相談窓口)に相談する。商品を売りつけられない中立的な相談先を選ぶこと。
――以上が、この記事を読んだ後に実行すべき自己点検リストです。ひとつずつ✓を付けて進めれば、無駄な固定費を減らし、手元資金を「攻めの資産形成」に回す第一歩になります。
小さな一歩が、数年後には大きな違いを生みます。今日まず「保険証券を出す」ことから始めてみてください。応援しています。